想い方の基本=動く瞬間に身体の中心に意識を向ける

 

 

『合気脳』の”はじめに”で、中心帰納についてこう書きました。

原則はシンプルです。筆者なりにまとめれば、「何かをしようとする(し始めた)瞬間、意識を外界から身体の中心に向ける」となります。

ここには動作と意図の矛盾点を解消しようとする狙いがあります。

たとえば自分から少し離れた所にある物をとろうとして、その場で手だけを伸ばす時、注意は物と指先に集中します。限界まで手を伸ばそうとすればあちこちが緊張して、腕が伸びません。では手を伸ばし始めた瞬間、視線を広げながら、意識を体の内側(中心)に向けるとどうなるでしょうか?バランスが保たれ、腕は伸び、より楽に物に触れることができます。

 

手や腕が(動かそうとする意思が)先行しすぎるとバランスが崩れます。

下の図にように重心がわずかにずれただけで転倒するので、身体を固めて傾きすぎを防いでいます。

 

肝心なのは「何かをしようとする(し始めた)瞬間」意識を自分の身体中心に向ける、ということです。

 

さらに忘れてならないのは、意識は外に向く習性があり、身体(五感、固有受容覚など)が置き去りにされやすいということです。

 

【意識がつい身体を離れてしまうのを自覚して、中心に注意を向ける】

 

これが中心帰納という”動作”の基本だと白石さんに伝えられました。

 

ただし、あくまで基本であって中心帰納を始めとする想い方は幅が広く奥が深いのです。

 

とにかく、中心帰納は”重心のバランス””感覚のバランス””意識のバランス”を意識的にも、無意識的にも調節するはたらきのある、すぐれた想い方です。